技術紹介 SOLUTION

SOLUTION – 10 学会発表・
技術発表会へ参加

2019年度農業農村工学会大会講演会 講演発表への参加
〜環境変化条件下における農業用排水機場の必要ポンプ能力簡易評価手法〜

2019年9月4日~6日にかけて東京農工大学で開催された2019年度農業農村工学会大会講演会に参加し、研究発表を行いました。発表内容は平成30年度に新潟県農地部及び新潟大学と産官学連携して取り組んだ業務の一部となります。以下に概要を示します。

1.研究背景・目的

図1 新潟平野の排水機場位置

新潟県の中心に位置する新潟平野では低平な地形が広がることから、農業用排水機場が約120施設も設置され、現在その多くは老朽化が進行しています(図1)。排水機能を維持するため、排水機場の補修が計画的に行われていますが、排水機場流域では都市化の進展や降雨パターンの変化などの環境条件変化により、既設ポンプの排水能力不足が懸念されます。老朽化が進行している全ての排水機場で農地湛水被害を防ぐために必要なポンプ能力を詳細に検討するには多大な歳月と費用を要するため、特に排水能力不足が生じている排水機場を抽出するためのふるい分けが必要になります。

本研究では、土地利用変化および降雨変化のみで排水機場の必要ポンプ能力を推定する簡易評価手法を検討しました。

2.検討結果

図2 ポンプ能力不足率の推定結果

新潟県内の降雨及び土地利用に関する資料を収集・整理した結果、昭和から平成にかけて降雨量増加率は最大21%であり、市街化率は最大30%であることが確認されました。こうした変化が生じた場合、排水機場のポンプ能力をどの程度増強すべきか検証するため、排水解析モデルを事例地区に適用し排水機場のポンプ能力不足率を推定しました。この結果、ポンプ能力不足率は降雨量の増加率に対して約1.2倍、市街化率に対して約0.2倍で不足することが示唆されました。

図2に示す直線近似式に任意地区の降雨量増加率及び市街化率を入力することで、ポンプ能力不足率の概算値を推定することができます。

ここで構築した関係式に各地区の降雨量増加率及び市街化率を入力することで、排水機場ポンプ能力の増加率を推定することが可能となります。

3.まとめ

本研究では市街化率および降雨量増加率のみを使用してポンプ能力不足率を簡単に推定する手法を提案しました。令和元年度では、検証地区数を増やし精度向上および妥当性検証を行うことで評価手法を確立し、新潟発の技術提案を目指していきたいと思います。

本社技術本部

髙野 陽平YOHEI TAKANO

2015年入社。新潟大学農学部生産環境科学科卒。入社後は、農業土木に関する業務に従事。現在は、流域治水に関連した「田んぼダム」の効果検証業務や農業地域における排水機場・排水路等の排水計画に必要となる排水解析業務に主として携わっている。

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